目が覚めたときのこと

 楽しい夢を見ていた。何か……みんなで、外国人を案内する夢。

 次第に尿意を意識して、体のこわばりを自覚して、寝返りをうつ体が意識されて、ああいやだ、いやだと思いながら、抗いようもなく意識が浮上していくのを感じた。体温がどんどん上がっていき、暖かかった布団が、暑く煩わしく感じられていった。とうとう耐えられなくなって。上体を起こした。わかりきった日常が、ぞわぞわと這い上がってきて、心臓を撫で回すのが感じられた。戻ってきてしまった。決して戻りたくはなかった。

 言葉は思考にまさる。行動は言葉にまさる。動いていくしかない。